遺体送付のガイドライン

遺体送付には次の4点にご注意ください。

  1. 死後融解を最小限に抑える
  2. 輸送中に液体が漏れないよう、十分な装備をする
  3. 正確に個体確認をするため、個体の情報を所定の位置に明記する
  4. 輸送機関の定める規定に従う

死後融解を抑えるために
死後融解は形態学的な観察の妨げとなりますので、病理解剖を決めたらなるべく早く検査に出します。死後融解は冷やすことで遅らせることができますので、まず遺体を冷蔵し(アーティファクトを防ぐため、絶対に冷凍はしないでください)輸送中も冷蔵された状態で送ってください。輸送中の冷蔵には、保冷剤が適しています(氷の保冷では、氷が解けた時に水漏れが生じます)。ペットボトルなどに水を入れ、凍らせることで簡易の保冷剤を作ることもできます。ドライアイスを使用する場合は、遺体と直接触れて組織が凍結されないように、必ず遺体から離してください。

正確な個体確認のために
遺体の足の部分に、病院名(あれば動病診のID番号)、飼い主の氏名とペットの名前を明記したタグをつけてください。病理解剖依頼書のコピーは2枚用意し、それぞれを別々の封筒に入れて、さらに濡れても大丈夫なように封筒をジップロックなどの袋に入れます。1つは遺体と一緒にいれ、もう1つは、梱包の一番外側の箱にテープなどでしっかりと張り付けてください。

梱包の例
穴の開かないように厚手で水を通さない袋に遺体を納めます。袋は、必ず2重にしてください。空気をなるべく抜いて、液体が漏れないようにしっかりと口を閉じます。袋に入った遺体は、さらに液体が漏れださないように発泡スチロールの箱などに納め、保冷剤で囲みます。空いた部分には新聞紙などを詰めて空間をなくし、遺体が動かないようにします。新聞紙は温度を低く保つ働きをし、液漏れがあった時には吸収材となります。遺体と共に、病理解剖依頼書のコピーを入れてください(前述のように封筒に入れ、さらに濡れないようにジップロックに入れてください)。発泡スチロールの箱の蓋はテープなどで液が漏れないようにしっかりとシールします。発泡スチロールの箱は、さらに一回り大きな段ボールの箱などに入れ、周りの空間は新聞紙で埋めて内箱が動かないようにします。外箱には、もう1つの依頼書のコピーを封筒に入れ、テープなどで固定します。

内容物は、「検査用検体」としてください。