サンプル提出のヒント
- 容器は広口でプラスチック製のものを使用してください
輸送が必要な場合は、ガラス容器は破損の恐れがあるため使用しないでください。固定後の組織は固くなり、広い口の容器でなければ取り出しが困難になります。 - 採取後は素早く固定
特に自己融解の進みやすい骨髄や胃腸の粘膜組織は、5分以内に固定をしてください。 - ホルマリンの量はたっぷりと
組織の大きさx10倍量のホルマリンが目安です。 - 割面の入れ方
5㎝以上の大きさのマスなどは、皮膚表面から中央に一カ所、短軸方向に割を入れますが、この時一番下まで割面を入れないようにしてください(マージン部分の判定のためです)。
ホルマリン固定は、1時間で約1㎜程度しか固定が進んでいきません。固定のなされない中央部分は自己融解が進んでしまいますので、状況に応じ部分割面を入れてください。
大型組織の提出方法
- 容器に入らないもの(脾臓や断脚組織など)は、一度冷蔵庫で完全に冷やした後、保冷状態でセンターに届けてください。(輸送中に冷蔵状態が進行するのであれば、冷蔵庫で事前に冷やす必要はありません。)自己融解が進みますのでなるべく早く届けるようにお願いします。休日にかかる場合は受け取りができませんので注意して下さい。(事前にセンターに連絡をいただけますと対応ができる場合もあります。)検査の妨げとなるため冷凍はしないでください。
- 断脚
断脚サンプル内にあるリンパ節の検査が必要な場合は、リンパ節をあらかじめ切り離して固定し、断脚サンプルと共に送ってください。
- 脾臓
脾臓全体を調べる必要がなければ、特定の部分だけを切り出してホルマリンで固定してから送ってください。切り出す場合は、必ず病変部と正常部の境界部分を入れてください。残りの脾臓は冷蔵して検査が完了するまで保管してください。
脾臓全体を調べてほしい場合は、上述のように冷蔵した状態で送るか、適度に部分的な割面を入れて(完全に切り離さないでください)、ホルマリン液で48-72時間ほど固定した後、臓器のみを取り出して2重の袋に入れて、保冷状態で送ってください。
- 断脚
- 腸管など、筒状の臓器
粘膜面は特に自己融解が進行しやすいので速やかに固定しなくてはなりません。腸管の内空を一度ホルマリンでフラッシュすると、余分な内容物が除かれ固定が進みます。検査を妨げない範囲で、一部長軸方向に割面を入れ、粘膜面にホルマリンが行き渡りやすくする方法もあります。 - 平たい組織
ホルマリン固定をすると、臓器の形が変形します。特に平たい組織では、組織がくるくるとポスターのように丸まってしまい、検査が難しくなります。皮膚などの小さな平たい組織片は、木製の舌圧子にしばらく置いて表面にくっつけてから固定します。大きな胃壁などの平たい組織は、粘膜面を上にして平らな板の上に押しピンなどで固定してからホルマリンに漬けると良いでしょう。板と組織の間に、ペーパータオルやキムワイプなどを挟んでおくと漿膜面からの固定も進みます。
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